暗記数学について

前から思っているんですが「暗記数学」という言葉はどうも世間一般に曲解されている気がしているので、持論を書いてみようかなと思いました。

暗記数学については、以下の通りです。

ja.wikipedia.org

和田秀樹さんが提唱した受験数学の勉強法です。10年以上前に私が受験生だった時に実は↑に挙げられている書籍を読んだことがあります。まあ実践はしませんでしたが、単純な興味ですw

暗記数学って簡単に言うと「チャート式の例題を暗記する」ということなんですがこの「暗記」という言葉がよくなくて色々と物議をかもしていると考えます。

私の受験時代の経験などをもとにした、本当の意味での暗記数学はこれだ、というのを私なりに解釈したのが以下です。

  • チャート式の例題と解答を暗記する。ここで言う暗記というのは単に解答を知識として覚える、ということではなく、解答の論理展開すべてについて、なぜその論理で解答が導かれるのか、ということを理解する。

    • 逆に、ただの丸暗記では、できた、ということにならない
    • 不明点などは教師や友人に聞く、教科書など他教材を参照するなどして、その例題に対して不明点を残さないようにする。
  • 理解の定着を確認するため、後日その例題を再度解く。

  • 上記をひたすら繰り返す。

何が言いたいかというとただの丸暗記は暗記数学とは言わないよ、ということでした。この認識であれば、大体の人は賛同してくれるのでは、と思います。あと個人的に重要だと思う点を2点ほど挙げます。

まず一つ目、この暗記数学の前提は「教科書に書いてある内容はしっかり押さえてあること」です。これは具体的には「公式、定理について知っている。更に、その導出や証明も含めて理解している、そして、自力で再現することができる」「例題、練習問題、章末問題が解ける」の2点です。 暗記数学の教材として有名な「青チャート」は、教科書レベルの理解はできている前提で作られているからです。逆に言うと、このレベルがあやふやだと、暗記数学が成立せず、それこそ「ただの丸暗記」となってしまいます。

そして二つ目、これが重要です。例題完璧にしたからこれで数学OK、んなわけないです。そんなに大学入試は甘くないです。実際の試験問題では、この問題は2次関数だよ、とか確率だよ、とか教えてくれないです。ひょっとしたら、2次関数と確率が組み合わさった問題かもしれません。限られた試験時間の中で、初見の問題を理解し、どういう解法を適用するか、ということを判断し、答案を作成する必要があります。実は暗記数学だけではこの「初見の問題を理解し、どういう解法を適用するか」という訓練が足りないです。というかしてないです。

だから、暗記数学の次のステップとしてこういった訓練をみっちり必要とします。一般的には志望校の過去問だったり、また別の難易度が高い問題集をやりこんだりだったりしますが、これは志望校のレベルとかその人の理解度とかによるでしょうね。

(確か和田秀樹さんの別の本にこの手の話も書いていたかと思います)

というわけで、暗記数学というものに対する私の理解は上記の通りです。最後のほうは暗記数学というより単に受験勉強のやり方、という感じになってしまいましたが。。。

暗記数学に関する記事とか見るんですがどうもそのネーミングからか「解答を丸暗記」みたいな話だったりするんですが、そもそもそれは違うよ、というところから、暗記数学の議論をしたほうがいいかなと思います。

あと、暗記数学=解答丸暗記、と信じ込んで勉強している中高生やそのように生徒に指導をしている教育関係者の方は、即刻その考え方改めたほうがいいです。はっきり言ってそんなもの意味がないですし、それで受験成功できるほど甘くないですし、大学以降の勉強ってそんなのではついていけないと思いますよ。

P.S もちろんチャート式の例題だけしっかり押さえるだけで戦える大学もある、ということはわかりきっています。あくまで上記は一般論です。