π>3.05を示せ
有名な問題ですよね。一般的には、半径1の円の面積とそれに内接する正12角形の面積をそれぞれ幾何的に計算し、評価するようですが、ここではちょっと違った方法でやってみます。 この解法は、計算がだいぶ面倒なため、一部計算について算出用のプログラムを作成し、それを用いました。そのため、試験場で採用するには現実的ではないものとなります。そして最初に断りますが、この解法について、数学の専門家等に検証してもらったわけではありません。あくまで個人の思い付きレベルですので、流用などの際は注意してください。また、本解法を適用して損害を被ることがあっても責任は負えません。ご了承ください。
解説
以下の積分値を利用します。
これは、関数におけるの面積を表しています。図で表すと下の青色部分です。
これに対して、例えば、以下のようなグレーの多角形で囲まれた部分の面積を考えてみます。
一例として横幅が、縦幅は長方形の右上頂点がグラフ上にあるように収めてみました。 ※わかりやすいかなと思ってあえて約分はしていません
さて、ここで方針の説明ですが、今回は上記について「青色の部分の面積>グレーの多角形の面積」を示し、そこから、π>3.05を示します。
青色の部分の面積は冒頭説明した通りです。ここで、示したいのはですが、青色の部分の面積に合わせて、両辺を4で割ったを示すことをまずは目標にします。
グレーの多角形について計算してみます。グレーの多角形を構成するそれぞれの長方形の面積は(ただし、i=1,2,3,4)と計算できるので、これらをすべて足し合わせると約0.72029となります。グレーの多角形が0.7625以上になってほしいのですが、0.04ほど不足していますね。どうにかしてグレーの多角形の面積を増やしたいです。というわけで、長方形の横幅を先ほどの半分のにしてみます。 すると先ほどよりもグレーの多角形の面積が増えているように見えます。一般に、長方形の横幅を小さくするとグレーの多角形の面積はだんだん増えていきますが、これを説明するとだいぶ本筋からずれるので、この事実は認めてしまいましょう。(もっと正確に言うとに徐々に近づきます)
グレーの多角形の面積は、横幅が刻みとなることに注意すれば、先ほど同様(ただし、i=1,2,...8)を足し合わせて計算できます。実際に計算すると約0.75349となりますが、まだ足らないですね。そのためさらに長方形の横幅を小さくする必要があります。とりあえず横幅を変えていった場合の計算結果を以下に示します。
横幅 | 計算値 | 評価結果 |
---|---|---|
1/4 | 0.72029 | × |
1/8 | 0.75349 | × |
1/9 | 0.75710 | × |
1/10 | 0.75998 | × |
1/11 | 0.76232 | × |
1/12 | 0.76427 | 〇 |
横幅が1/12の時に初めて0.7625を超えました。この時、となり、目指していた式を得ることができました。そして、元々の命題であるを示すことができました。
最後に
Texの使い方が不慣れなので色々見にくいところはご了承ください。
グレーの多角形の面積を出すところは、横幅を変えていって0.7625を上回るまで検証し、計算をするのは実際の試験場では相当大変です。今回は横着をしてRubyで適当にプログラム組んでグレーの多角形の面積を算出しました。試験場でこの方法で解くのは非現実的ですね。 ただ運よく横幅1/12の時に式を満たせそうと、ラマヌジャンばりの神のお告げが聞こえてきたとして、数値計算をせずに「横幅1/12の時に式を満たす」の記述だけで点が来るのであれば、こんな計算しなくていいのですが、多分来ないな笑